こちょこちょシンジ君-綾波編-
こんなはずではなかったのだ。
アスカは現在の絶望的な状況からの逃避として、思考の一部を切りとって自分を客体化して考えていた。
あの生意気な同居人に、イニシアチブがどちらにあるのか教えてやるつもりだった。
あの恐るべき六分義の技の使い手といえども、一人ならば油断しない限り自分の敵ではない、・・・・・そのはずであった。
いや、実際に彼はついさっきまで、情けない悲鳴を上げながら無様に泣きじゃくっていたではないか。
しかし、何時の間にか状況は逆転していた。
不可思議な方法で連絡を取り合うシンジ達は、いつの間にか3人の分身を呼び寄せていたのだ。
今や惨めに許しを乞うのはアスカの方であった。
「・・・駄目・・・やめて・・・」
アスカはジリジリと後ずさりながら、か細い声を上げる。
本当は駆け出したいのだが、生れて始めて経験する腰が抜ける程の恐怖が、彼女をしてただのか弱い14才の少女としていた。
己が矜持を示すために、生還の適わぬ戦いも悠然と死地に赴き、死に臨んでなお平然とそれを受け入れる気概を持った戦士。
その少女が、今、部屋の隅に追い詰められ、なす術もなく脅えていた。
「・・・・・イヤァ・・・・」
少女が弱々しく発する悲鳴。
そして、その中に含まれる、紛うことのない、恐怖。
「くくくく・・・・・」
その苦悶に歪む姿を楽しむかの様に、4人のシンジが指をわきわきさせながらアスカに迫った。<鬼畜
「・・・・イヤ」
アスカの、その脅えた表情がシンジ達の嗜虐を誘う。
「ぼーくが砕いたぁ勝利へのプライドはぁ〜♪」
「Tickling finger!!」
「ゆーびをくねらせぇ♪」
「息が詰まるほど笑いを呼ぶスキル!♪」
ニヤニヤと鼻歌を歌いながら、シンジは8本の腕をアスカに向けた。
「「僕のこの手がしなって唸る!!」」
「「アスカを笑わせとうごめきまわるぅ!!」」
アスカの全身を絡め取った腕が、急所に添えられた<経験者にこれはマジで怖い
「いやあぁぁぁぁーーーーーー!!!」」
こちょこちょシンジ君 綾波編
by グラブロリ
「言葉だけは聞いたことがある・・・・でも触れられただけでおかしくなる感覚というものがどういうものなのか、私にはわからないわ」
レイの表情がかすかに憂いをおびる。
彼女にはこれまでそのような体験をする機会はあろう筈もなく、無理もないといえる。
シンジは彼女のそんな境遇に、改めて目頭を熱くした。
そして思った、考えた。
彼女にはなるだけ普通の人のような生活を送ってもらいたいと。
そのためにも、彼女に擽ったさの何たるかを教えるのは、自分の義務であると。<発想の飛躍
「あ、綾波・・・・」
ちょっと涙目でシンジは言った。
「僕が。僕達がおしえてあげるからね・・・」
「だからそんな悲しい顔をしないで・・・」
「「「僕が、君に笑顔を上げるよ!」」」
シンジ達は自分の崇高な使命に、強く拳を握りしめた。
(((ニヤリ)))
・・・・・いや、単に自己を正当化する詭弁だったようだ。
早速椅子に座っていたシンジが、レイの剥き出しの膝頭に素早く手を伸ばすとコリっと引っ掻いた。
しかし、レイは「なにをしているの?」といった顔でシンジを見返している。
手首の捻りが甘かったかと、今度は横に腰掛けていたシンジがワイシャツの上からレイの脇腹に、必殺のコリコリを加えた。
だが、相変わらずレイは貞本版の、あのやる気のない眠たそうな顔で「なに?」とか言っている。
「「「はっ!」」」
ある可能性に思い当たるシンジ達。
ニヤリ笑いが見る見るうちに引きつって行く。
「こ、これはひょっとして・・・・」
「「こちょ不感症!?」」
シンジは恐怖の形相を浮かべた。
数千人に一人か、もしくは、さらに少ない割合で、擽りに絶対の耐性をもつ人間が存在する。
大抵クラスに一人や二人は擽りに強い人間がいるものであるが、それは責め手の技量が不足していることに問題がある場合がほとんどである。
また、そういう人間はゆるい擽りに合うことで自分には耐性があると思いこみ、その思い込みが擽られる際の筋肉の緊張を抑止することで、さらに笑いにくくなる傾向がある。
これが一般的に擽りに強い、笑いにくいと言われる人間である。
もちろん、多少擽りに堪えが効く程度の人間など、シンジの、いや、六分儀の指技をもってすれば常人となんら変わるところはない。笑いに対する免疫が少ない分、かえってやりやすい位である。
ただ、極まれにいるのである。他人に擽られても完全にリラックスしていられる人間が。
弛緩した状態の筋肉は、擽りに対してなんら反射を行わない。
自分のわき腹を掻いて笑い出す人間はいないが、いくら痒くとも同じことを他人にやらせるとどうなるかを考えると判りやすい。
自分で自分を擽ってもあまりくすぐったくはないのは、自分で擽るとどの位置に対して、どのような力が加わるかが完全に予想されるためである。自分が行うという安心した、しかも予想された刺激に対しては皮膚は完全に弛緩した状態におかれ、緊張からくる反射とは無縁でいられるわけである。
これが他人の手によるものだった場合はどうなるか。
出来そこないの群体である人類は、他人に触れられることに、どうしても恐怖と警戒心を抱いてしまう。それは筋肉や神経の緊張として現れ、そこに自分ならざる手が、程度の差こそあれ予想とことなる位置と力で刺激するのである。
それが痛みなどを伴わない刺激であった場合、予期した物と実際の刺激とのギャップが「くすぐったい」という感覚となって伝わるのである(したがって、器具を使ったり、四肢を絡めて左右が認識しにくい状態でならばある程度自分を擽ることが可能である)。
シンジが恐れたのは、レイが真に耐性のある、珍しいタイプの人間であることであった。
他者への関心が薄く、また、人から皮膚への一時的接触を受ける機会が極端に少ない生活を送ってきたレイである。擽りに対する反応が未発達であることは十分に考えられた。
(いや、そんなことはない!)
(綾波だって人間(?)なんだ、擽ればきっと笑ってくれる!)
(笑いのない人生なんて、あんまりじゃないか!)
溢れる涙を、きっと瞼を閉じて堪えるシンジ達。
その顔には強い決意が現れていあた。
(((ぼくがきっと綾波を笑わせてみせる!!)))
何を勘違いしているのか、手をグーに握っていきまいている。
もう何も言うまい・・・・・・・
* * * *
「綾波」
「ぼくがきっと君を笑わせてあげるからね」
左右のシンジが、レイの腕を取ると、ぱふんとレイを後ろに引っ繰り返す。
ベッドが壁に密着していたらここでゴンといくところだったが、30センチほど開いていた隙間がレイの頭を守ったようである(笑)。
腕を左右に押し広げてベッドに押し付けられ、動きを封じられたレイは、その白さと相俟って、今にも消入りそうな、危うい美しさを織り成す。
それでいてなんの恥じらいもてらいもなくシンジを見上げるその紅い双眸に、しばし、ほうと見惚れるシンジ達。
そのまま片方のシンジがレイの前髪を掻き揚げながら額に手をあて、ベッドから半分はみ出た頭を後ろにそらせて喉を突き出すようなポーズをとらせた。
剥き出しのやや広い額や、上向いたためシンジを見下ろす格好となった真紅の瞳が、儚げな表情を醸しだす。
「なに?」
押し倒され、組み伏せられているにも関わらず、いつも通りの口調のレイ。
シンジはそんなレイに、ほとんど神聖と言ってよい程の慈しみと、愛おしさを覚えた。
そして同時に、この清漣の様に無垢な少女が、目茶目茶に善がり狂う様を見たいという、押さえがたい欲望が湧き出していることも感じていた。<外道
シンジは左右から、レイの体に合わないシャツから大きく覗いた胸元に片手をやり、首筋から耳の裏、喉元などを指先でやさしく撫で摩った。
気管を擦られ、小さく喉を鳴らして顔をそむけるレイ。その白磁の様な頬にうすらな朱がさしたのは、息苦しさの所為であろうか。
「強くさわらないで・・・・痛いわ」
「「そう?」」
シンジ達は悪びれた様子もなくレイの肩を硬いマットレスに押し付けると、今度は袖口から手を偲ばせ、レイの二の腕を爪先で軽くなぞりだす。
常人なら耐え難いはずのシンジの指技にも、この薄幸の少女は平然としている。
だがシンジ達は慌てずに、腕を揉み解す様に腕全体をなでまわす。刺激を与える事で感覚を活性化させるのが目的である。
「つっ!」
レイがうめいた。
シンジ達が突然、指先でレイの白い肌を小さく抓ったのである。
レイの腕をチクチクした痛みが連続して走り、そのタジ・マハルもかくやという染み一つない美肌に、赤い痕が点々と連なってゆく。
腕の皮が捻られる都度、ピクンと体を反らせるレイ。不規則なか間隔で抓られるため、待ちの恐怖が神経の緊張を強いる。
「やめて・・・私、こういうこと好きじゃない・・・」
始めてレイが抗いを見せた。これこそがシンジの待っていた瞬間である。
一人レイの足元に跪いて出番を待っていたシンジがレイの左右のわき腹に手をやると、そっと肋骨をつまむ形に指を当てた。
先ほどとは違い、シンジの指を異物として認識したレイの無意識がピクンと腹筋を痙攣させ腰を引こうとするが、硬いベッドは僅かに軋んだだけで、レイの逃亡を拒む。
「「ふふ・・・・」」
予想通りのレイの反応にほくそ笑むシンジ。
安物の薄い化繊越しに感じる、脂肪の薄い、しなやかなお腹の熱さが心地良い。
シンジはその感触を楽しむ様に、ゆっくりとやや力強く指先を上下させ始めた。
「はぁふ」
遂にレイが切ない喘ぎを漏らす。
シンジ、ガッツポーズ。
軟骨がゴリゴリと軋む音が、体を通してレイの鼓膜を直接振動させる。
反射的にシンジの指から逃れようと体を左右に捩るが、
両の脇腹をシンジの十本の指先がしっかり押さえているため、
更に強く人体で最も無防備な部分に、シンジの指がめり込んで行く。
「は、あ」
これまで体験したことのないまったく新しい刺激に、レイはどう対処して良いかわからず、
もじもじと体を揺すり、足を擦り合わせている。
自分の痴態をシンジに曝すことに羞恥を感じたレイは、誰に教わったわけでもなく、
薄く紅潮した顔を叛けると、左手の爪を咥えて嬌声を噛み殺した。
シンジ達は不自由な体勢から首を反らして指先を口に含むレイの姿に、
普段の彼女とは異なる淫らな美を感じて、思わず息を飲んだ。
カーテン越しの薄明かりが、消入りそうな儚さを演出している。
頬を染め、荒い息を吐いているレイにゾクゾクする昂ぶりを覚えた左右のシンジが、
肩に置いた手を肘に移すと、腕を真横に広げられたレイの脇の下に人差し指を立てた。
「ひぁ!!」
悲鳴とともに体を跳ね上げるレイ。
シンジの神技の賜物か、それとも素養があったのか、驚く程の速さで開発されたレイの体は、先程までの彼女では考えられないほどの敏感さで反応した。
シンジの指先が、容赦なくレイの脇の下を抉って行く。
「ひあ!、はぁ・・・あっ、あっ・・・」
急所を押さえられ、暴れるほど食い込むシンジの指に、レイは為すすべもなく翻弄される。
悲鳴など腕を切り離されたしたか、侵食された時位しか上げたことのないこの寡黙な少女は、上手く声を上げて刺激を緩和することすら知らず、ただ呻きながら悶えるばかりである。
「「(クスクス)どう、綾波。くすぐったい?」」
顔を左右に振りまわし、全身を大きく波打たせてもがくレイに、シンジ達が声をそろえてニヤニヤと尋ねた。<鬼や・・・
大きく振られる長い脚が、艶かしくうねってシンジを喜ばせる。
「ごめんなさい、こんなとき、どんな顔すればいいか、わからないの・・・」
レイは荒い息を吐きながら、苦しそうに答える。
「「「わ、笑えばいいと思うよ(^_^;)」」」
この後に及んでなお生真面目なレイに苦笑するシンジ達。
(((なぁに、これからさ・・・・)))
我が身を襲う未知の感覚に途惑い、身悶えするレイを眺めながら、これからさらにレイの痴態を引き出そうかと思案する悪鬼ども。
その顔には、彼の家系に連綿と受け継がれる、姦計を企てる際の表情が浮かんでいる。
既に本来の目的は二義的なものとなっているようである。
「こんな事して、私をどうするの・・碇君・・・・」
良くわからないが、とりあえず最近覚えたセリフで不安を表明するレイであった(笑)。
* * *
しばらくしてシンジ達は、息を詰まらせ、ぐったりとなったレイを一旦ベッドに腰掛けさせた。
やもすれば倒れそうになるレイを、シンジの一人がうしろから抱えるように座り、レイを膝の間に収める。
これはレイを拘束すると同時に、彼女に自分以外の存在が体に触れる面積を増やして(無意識レベルでの)緊張を強いるためである。
自分も気持ち良いので一石三鳥、うはうはのシンジ(笑)。
後ろから巻き付けられた両腕が、レイのお腹の上に回され彼女を縛りつける。
「いきなりでゴメンね、綾波」
「最初からハード過ぎたね」<おひっ
「今度はやさしくするよ・・・・」<おひってば
シンジの一人が正面からレイの剥き出しの脚に取り付くと、まだトロンとした顔のままのレイの膝をコリコリと引っ掻いた。
「きゃっ」
弾かれた様に飛びあがろうとするレイ。
もはや、その可愛らしい悲鳴や、驚いて腕を振り上げる仕草などは、同世代の女の子となんら変わるところがない。
後ろからレイを抱えているシンジも、レイを抱きしめている手をわき腹にあて、擽り始めた。
「・・・・・・・・」
今度は予期していたのか、驚いて声を立てるような事はなかったが、体をモジモジとさせ、肩を揺する。
自由になる方の脚は、バタバタしている所を残ったシンジに掴まれてしまった。
「むふぁ」
腕を振りまわし、体を捩るレイのわき腹を、シンジは執拗に擽った。
いまだ意識が覚醒しきっていない中、腰を捻り、上体を反らせてもがくレイ。
右のわき腹をグリグリ捻れば左に、左の肋骨をコリコリすれば右にと震える体を捩って足掻く姿は、シンジに女体を操縦しているような錯覚を思わせた。
もがくほどに擦りつけられるスレンダーな肢体が、更にシンジの指の動きを執拗なものとする。
はぁはぁと荒い息使いのレイに、シンジはうっとりと目を細める。
腕の中でもがき喘ぐ小柄な少女を、腕力に物を言わせて無理やり抱え込む。これ以上の愉悦があろうか?(爆)
振りしだかれるレイの髪から香る、かすかに薬品臭の混じる甘い芳香も、シンジの理性を容赦なく奪い取ってゆく。
シンジは憑かれた様にレイを擽った。
コリコリ
「・・・・・・・・」
こちょこちょこちょこちょ
「・・・・・・・・・・・・」
グリグリ・・・グニュ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・クスッ・・・・」
「「「あっ、綾波!!」」」
微かに声を聞いたシンジが、狂った様に指を動かす。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ウッ・・・」
「・・・・・うふっ・・・・・うふふ・・・・・くすくすくす・・・・・」
遂にレイのこちょ鉄面皮が破れ、小さく、しかしはっきりと、レイは笑った。
おそらく生れて始めてのことであろう。お腹のそこから涌き出る、痺れにも似た衝動に、レイは声を立てて笑った。
吐き出すばかりで、吸気が追い付かず朦朧とする意識の中で、レイは自分が笑うのを聞いた。
そして、こんな自分でも笑うことがあるのかと、朧な意識の片隅が意識する。
『笑えばいいと思うよ・・・・・』
シンジの笑顔とともに、自分が心を持った瞬間の事が思いだされる。
(嬉しいときに笑うものだと言っていたのに・・・・・・)
(苦しい時にも笑うのね・・・・・)
レイは息苦しさとともに、妙な安らぎを覚えていた。
酸欠がやばいレベルにまで進行したのかもしれない(笑)。
心の充足感とは別に、レイの体は、わき腹と膝小僧、そして脹脛を同時に擽られ、瀕死の状態に追いやられていた。
「クスクスクスクス・・・・うふ・・・・あはは」
まだ笑い方を知らず、上手くガス抜きができないレイは、苦しそうに上体をヒクつかせる。
レイは両手を振りまわし、体を捩じって暴れるが、レイの笑い声にあっちの世界に行ってしまったシンジ達は一心にレイを擽り続けている。
片足を取ったシンジは、恍惚とした表情でレイの細くしなやかな脛を抱きしめるように頬ずりし、時折舌を出してはレイの脚を舐めている。
脹脛と膝裏に回された腕は一時も休むことなくやわやわと指をくねらせる。
そんな状態でも、レイが時折ヒクヒクと反りかえった足首を痙攣させるポイントをチェックすることは忘れない、真性外道のシンジである。
「・・クスッ・・くすぐったいから・・・やめて・・・・くすくすくす・・・・」
「「「綾波、綾波、綾波ぃ〜」」」<きいちゃいねぇってば
まだ何処に切れる余地があったのか、理性がさらに吹っ飛んだシンジ達はレイを再びベッドに押し倒すと、6本の腕でレイの全身をまさぐり始めた。
あんまり手の動きが速いので残像で腕が8本位に見える(笑)。
「ひぃあ・・・・」
脚、腰といわず、背中や腕、わき腹にうなじと、全身を擽りまわされ、悶えるレイ。
無論狭いベッドの上である、いくらもがいてもシンジ達の手から逃れられるはずもなく、レイはいいようにこねくりまわされる。
普段無表情なだけに、その顔を赤くして乱れる様は、シンジの煩悩を刺激した。
追いすがる腕に向けられる脅えた流し目が、これ以上ない程にシンジの嗜虐を呼び、海綿体を充血させる。
「あっ・・・ん・・・」
シンジの一人がレイの頭の方に周り、両手を頭の上で固定する。
一渡り全身を嬲られ羞恥と疲れとで弱っているレイは、抵抗らしい抵抗も見せずに、なすがままである。
ベッドに貼り付けられたレイに、二人のシンジは覆い被さるようにして、脇腹と、今まで隠されていた脇の下に手をかけた。
手が触れた瞬間、レイが「んっ」と体を振るわせる。
レイは今にも襲いくる陵辱に、目を硬く閉じ、身を硬くして身構えた。
・・・・・が、なにも起こらない。
そのまま十数秒、指が離れる気配に、息を詰めていたレイが薄目をあけ、ふっと気を抜いた瞬間、それが来た。
「あぐぅ」
息を吐く時はどんな生き物も注意力が散漫となる。そこを狙ってのわき腹と脇の下への同時攻撃である。
レイは肺に溜まっていた空気を一気に吐き出してしまった。
「ひっ・・・・あっ・・・いっ・・・・」
これまでの反応から、レイのポイントを見極めたシンジの運指は巧緻を極め、レイに呼吸を許さない。
「あっ、あっ」と喉を震わせながら、酸素を求めて口を動かすが、痙攣する横隔膜は一向に吸気を行おうとはしない。
それでいて全身を駆け巡る衝撃に、レイは悶え、少ない酸素を消費せずにはいられない。
つま先などは既にピクピクと痙攣を始めている。
(どうして、こういうことするの?)
口がきけないためであろう、涙で潤んだ瞳で、レイはそう訴えた。
いや、仮に言葉を発する事ができても、この少女は同じように悲しい眼でシンジを見上げるだけかもしれない。
腕を拘束され、上気した顔で見つめるレイの無言の懇願に、シンジはさらなる指の動きで答えた。気付かなかったのかもしれない。
「「「しかたないじゃないか!あ、綾波がいけないんだ・・・あんまり可愛いから・・・」」」
いや、気付いていたようだ(^_^;)<人の所為にするなよ・・・・
「はぁ、ひぃぁ、あ、アーーーーー!!」
笑い方を知らないレイは、今だ未知のこの感触に、ただ声を上げることしかできない。
体をバタバタと揺すり、腰を振りまわすが、シンジの指はピッタリと急所にはり付いて離れなれず、コリコリと指を立ててくる。
振りまわされる脚も、シンジの一人によって足首を捕らえられ、四肢の自由は完全に封じられた。
レイはシンジの執拗な攻めに、腰を左右に捩り、太股を擦り合わせ悶えた。
時折、シャツの裾からチラチラと覗く下着が扇情的である。
やがて、レイは力尽き、「アッ・・・アッ・・・」と口だけを動かす。
それでも止まない擽りに、行場を失った激情は、全身を駆け巡り、熱い奔流となってその双眸から溢れ出した。
レイが零れるまで流した、始めての涙である。
* * * *
「「「あ、綾波・・・」」」
紅い瞳から次々と零れる熱い雫に、あっちに行っていたシンジ達が帰ってきた。
乙女の涙を宝石に喩えた詩人がいたが、シンジがそれを知れば、なんと陳腐なと思ったであろう。
その無垢な雫は、この世に比する物など存在しえない、高貴な物とシンジには思えた。
少なくとも、向岸の世界に行ってしまったシンジを呼び戻せる感動は、そう多くはない。
シンジの指が止まり、手が引かれる。
俯いたシンジが、呆けたように突っ立っている。己が罪の深さにとうやく気付いたらしい(笑)。
「・・・ご、ごめんよ、綾波・・・・・・」
「僕は、綾波に酷いことしたんだ・・・・」
「・・・・・それじゃ」
シンジは居た堪れなくなり、逃げ出そうとする。
だがそのときレイの体には、不思議な変化が起こっていた。
(これは、何?)
シンジの指から開放され、責め苛まれ続け、ようやく常態に戻った体が、火照ったようなムズムズする感覚を伝えてくる。
(・・・・・これも、擽ったさの続き?・・・・・)
体に残る刺激が、疼くような感覚となって残っている。途惑うレイ。
体を揺すって見るが、なんの効果もない。
(・・・始めてだけど、始めてじゃない感じ・・・・・)
だんだんと消えて行く余韻。
(・・・・でも、イヤじゃない・・・・・・)
気が付くと、レイは逃げ出そうとしていたシンジの袖を掴んでいた。
「「「あ、綾波・・・・・」」」
脅えた顔のシンジ。腰が引けている。<根性なし
レイ自身、自分がなぜそんな事をしたのか理解していなかった。
ただ、背を向けるシンジを見たら、勝手に手が動いていたのだ。
見つめ合う二人。
そしてシンジが途惑いを見せた瞬間に、思わず自分の口を突いて出た言葉に、驚愕と猛烈な羞恥を覚え、目を伏せた。
「・・・・・・・・もっと」
「「「・・・・・・えっ!?・・・はがぁ!!!」」」
驚いた顔のシンジ達。
その目は、レイが一瞬、上目使いに媚びるような視線をシンジに向けたのを見逃してはいない。
レイのその妖しい美しさは、物理的破壊力となってシンジ達を襲う。
顔から血煙を撒き散らしながら吹っ飛ぶシンジ達。
正面で直撃を受けたシンジは、空中で三回転半したあと、ビルの屋上からアスファルト道路に叩きつけられたカエルの潰れるような音を立てて壁にめり込んでいる。
しかし、数秒後、状況を把握したシンジの(血まみれの)顔には、これまでで最も醜悪なニヤリ笑いが浮かんでいた。
* * * *
「僕達、綾波に酷いことするかもしれない・・・・」
「それでもいいの?」
レイを取り囲むように立つシンジ達。
「・・・・いい、我慢する・・・・」
流石に顔を伏せて、恥ずかしそうにレイは答える。
桜な頬が初々しい。
シンジ達が腹の中で、
(((よっしゃあぁ〜〜!!)))
と叫んでいることなど思いもよらない。
「好いの?」
すぐにでも飛びかかりたいのをグッと堪えるシンジ。
「僕、おかしくなっちゃうかもしれないよ?」
「もう綾波が嫌だっていっても、止めないかもしれないよ?」
最後の自制心を振り絞って、まず言質を取ることを優先する。<げ、下劣な・・・・・・
保身、兼、言葉責め(爆)。
「「「本当にいいんだね?」」」
「・・・・・うん」
小さく頷くレイ。
その次の瞬間にはもうシンジに押し倒されていた。
二人のシンジが、片手でレイの腕を取り左右に押し広げ、もう片方の手でレイの肩を硬いマットレスに押し付けている。
最後のシンジが、レイの膝を脚で挟むようにまたがり、腰を掴んでいる。
我人生最良の時!、シンジは珍しくこの世に生を受けた事を感謝していた。
感涙に咽びながら、丁度十字架に貼り付けられた格好のレイを舐るような眼で鑑賞する。
(((くくく・・・・こんな綾波の姿は、父さんだって見た事ないだろう・・・)))
たしかにレイが、たとえわずかとは言え、不安に脅える表情を見せるなど俄かには信じがたいだろう。
乱れ、悶えるレイに続き、また垣間見せる新しいレイの魅力に、心引かれ、邪な衝動を感じるシンジ達。
「くすくす・・・」
脚にまたがったシンジが、レイのお腹にゆっくりと顔を押し付け、グリグリと擦り付けはじめた。
そのまま、シャツの併せ目に唇を這わせ、舌を忍び込ませると、スベスベしたレイの(使用されなかっためか?)小振りなお臍の周りを、舌先突つくように舐めまわす。
「ひっく・・・くくく・・・・だめ・・・い、・・ひぃあぁぁぁ」
体を左右に振り乱すレイ。連続して腰を跳ね上げて痙攣する様は、シャックリを繰り返しているようにも見える。
這い回る舌は、ヒルの様にレイのお腹にはり付いて離れず、憤るお腹を動かそうにも、腰を掴むシンジの両腕がしっかり押さえてそれを許さない。
いや、それどころか背中に食い込んだ指をわきわきとさせ、レイの腹を前後から責めたてる。
進むも引くもならず、上体を限界まで捩じり、善がり鳴くレイ。
彼女の声帯は殆ど使われる事がないにも関わらず、こんな時でも小さいがよく通る澄んだ声を奏でる。その美声は、理性を殆ど欠いた嬌声でも耳に障るところがない。
サディスティックな性癖を持つシンジ達には至高の嬌態である。
「「「僕は、君を擽る為に生れてきたのかもしれない・・・・・・」」」
・・・・・シンジよ、いいかげんに帰ってきてくれぃ。
* * * *
部屋の中に、ベッドの軋む音と、ひっくひっくとレイのしゃくる声が響く。
先程シンジ達を引きとめたことを早くも(表面上は)後悔していた。
「・・・・・碇君・・・・お願い・・・もう、止めて・・・・」
ヒクヒクと嗚咽を漏らし、しゃくり上げながらのレイの懇願。
まるでどうすればシンジ達が喜ぶか判っているかのようである(笑)。
身動きがならない状態での擽りに、ぼろぼろと涙を溢れさせるその姿は、シンジならずとも心妖しくさせるのに十分なほど、可憐で哀れである。
ましてや鬱屈やるかたないシンジにとっては何をか言わんやである。
「「「うけけけけけけ・・・・」」」
魂が震えるほどの昂ぶりを覚えたシンジは、さらにその獣性を顕にする。
シンジ達はすばやくレイをうつ伏せに裏返すと、一人が背中にまたがった。
そして膝でレイの二の腕を押さえつけ、脇の下を広げる。
いま一人のシンジは、レイの、ここばかりは発育の遅いお尻の上に後ろ向きにまたがり、片方の足首を取って引き寄せた。
ここを床に付けて歩いていることが信じられないほど、スベスベで肌理の細かい脚の裏に「うふふふ」とうっとりと笑うシンジ。<脚の裏フェチ
吹き掛かるシンジの荒い鼻息に、レイの脚は、指が丸められ、足首はピクピクと振るえている。
3人目のシンジは、二人の間に手を通すと、レイの両のわき腹に手を置いた。
枕に顔を押し付け、身動きが取れず、知覚も及ばない状態でシンジに全身の弱点を曝すレイ。
諦めたのか抵抗は見せないが、呼吸は荒く、心拍数も彼女には信じられない位高まっている。
シンジは自分の下で息を詰めているレイを、ニヤニヤと眺める。<こ、こいつわ・・・
咎人をムチ打つ時に目隠しをするのは、ムチに打たれる痛みよりも、次のムチを待つ恐怖の方がダメージが大きいからである。
それを本能的に知るシンジは、ゆっくりと待つのである。
フリーフォールが最初よりも二度目の方が恐ろしいのは、次に来る恐怖がどんなものかを知っているためである。
それを経験則によって知ったシンジは、脇の下とわき腹に指をあてたままじっとしている。
綾波レイが無限の自制心と高い自律能力を持っていたのは既に過去の話である。
今のレイは、シンジの鬼の指のもたらす責めによる恐怖と、そして期待に震える、只のか弱い少女でしかない。
時おりプルプルと身震いをするレイに、頃合を見たシンジ達。
前触れもなくわき腹と脇の下を同時にくすぐった。
「っ!!!」
声もなく弾かれたようにレイの全身に電気が走る。
跳ね上がろうとするレイの全身を無理矢理押さえつけるシンジ達。
尻越しにレイのしなやかな体が痙攣するのを感じて、その征服欲、支配欲を大いに満足させる。
シンジの指は、脇の下のエラの脇にある一点に突き刺さり、掻き回している。
「あっ、あっ・・・ひぃあ・・・・がっ・・あっ・・ああぁぁーーーー!!」
くすぐったさを感じるツボを刺激されるたび、レイの体は痙攣し、跳ね回ろうとするが、そのか弱い力では、シンジの体を揺すり、喜ばせるのがせいぜいである。
同じようにわき腹にも10本の指が、容赦のない動きと力で、触覚を狂わせている。
二人もの男を乗せた胴体は身動きがならず、レイはボロボロと涙を零し、首を振る。
今度は脚を取ったシンジが、レイのその綺麗な足首に、いとおしむようにゆっくりと愛撫を加えて始めた。
最初はゆっくりと、指の腹をそろえて円を書くように、土踏まずを中心にやさしくなぞって行く。
首を反らし、頤を上げて「むはぁ」と喘ぐレイ。
感覚の鈍い脚の裏が、くすぐりに対してどのような位置にあるかは知らないレイであるが、今の緩い愛撫の感触から、悪い予感を覚えた。
「あああぁあっぁぁぁーーーーー!!」
突きたてられたシンジの指が、グリグリと脚の裏を上下する。
胴体とは別種のその刺激に、レイの自制は一瞬と持たずに吹き飛び、あられもない悲鳴を上げる。
もしこのとき自由な片足をベッドに打ち付けて振り回すことが出来なかったら、レイは発狂していたかもしれない。
「はぁ、ひぃあああぁあぁぁぁ・・・・・」
今度はレイの脚の指を掴んで反らせると、これまで誰も、レイ自身も触れたことのない指の裏をこちょこちょとやる。
特に間接部分の溝を弾くように引っ掻く際の刺激に、レイは指も折れよとばかりにもがくが、シンジの巧みな拘束は、指を折る事も、自在に動くこともさせず、ただ動きを封じるのみである。
悶え、泣き叫ぶレイ。
(くくくくくくく・・・・・あの、いつも澄ました顔の綾波が、見てみろよ)<誰が?
(けけけけけ、俺様達の手にかかれば綾波も所詮ただの・・・・・)<超ド外道
(こここ、この嬌き声。あのダンマリ娘の綾波が・・・くく、これは俺様専用だよ)
シンジは自分の指先一つで、レイを淫らに乱れさせる快感に、我を忘れた。
「ひぐ、ひぃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・」
レイの悩ましいすすり泣きに、シンジは訳のわからない衝動に駆られ、レイのつま先を口に含む。
代謝が少なく体臭も薄いレイだが、流石に少し酸い匂いがする。シンジにとってはこれも芳しい香を聞く行為であるが。
シンジはそのまま欲望の赴くまま、今まで指で弾いていた脚の指をに前歯を立てる。
同時に小股に舌を滑り込ませ、強く擦った。
「ひゃっ、あっ、あっ、ひっ・・・・」
口の中で蠢くレイの小さな指に、シンジは恍惚と眼を閉じる。
レイは歯の硬質な刺激に対して、食いちぎられることへの本能的な恐怖から全力でもがくことが出来ずにいる。
そんなレイの葛藤を知ってか知らずにか、シンジは開いた手で、レイの頬と変わらないほどに綺麗な土踏まずも一緒に引っ掻き、擦った。
「あぁあーーー!あーーーーーー!!」
組み伏せた少女の悲鳴も、涙も、大きく波打ち、そして痙攣する肢体も、その全てがシンジの煩悩を刺激し、狂わせる。
シンジ達は、レイが刺激に慣れることの無い様、指の動きに微妙な変化を与え続け、触れるたび、体が裏返るよう震える全身を、グリグリと恣行する。
感性に開眼したレイにとって、天性のものである優れた知覚能力が、より一層の反応を呼び起こす。
不規則に脈打つその背は、シンジの指が通るつど、その質量と体温を感知し、ゾクゾクする悪寒と、むず痒くも甘美な刺激を受ける。
まれに爪の先が軽くふれると、声もないほどに悶え、きつく捕らえられている体の筋をキュッとすぼませ、抗う。
裾がめくれ、剥き出しとなった白く細い、だが必要な脂肪の乗った太股にも、シンジの無遠慮、かつ精緻になぞりあげる指に、細かく掻き乱される腿裏や内腿は、筋肉を浮き出させ、ピクピクとその柔らかく薄い脂肪を振るわせて答える。
「はぐ・・・えっぐ・・・」
ベッドに顔を埋め、肩を震わせて、全身を襲う暴戻に耐える美少女。
ハーモニカの様に脹脛に吸い付かれ、舌で吸い上げられる膝裏。
シャツの上から肩に爪で線を引かれ、首を窄め、小さく丸まるレイ。
窄めた首が引き伸ばした脇の下の皮。
背中に浮き出た背骨添いの溝や肋骨の付け根。
いくら嬲られ、暴れ悶えてもスベスベとしたまま白い、やや扁平の脚の裏。
・・・・・・それらが全てが、レイの全てがいとおしく、レイの持つ顔、声、姿の全てを知りたい。
その想いに、シンジ達は呆けたようにレイの全身を擽り続けた。
絶叫と嗚咽、嬌声と痴態が嵐の様にレイの全身を駆抜け、翻弄して行く。
・・・・やがてレイは、絶頂と共に意識を失った。
* * * *
「くすくす・・・・・綾波も寝ちゃったよ・・・・(ニヤリ)」
「笑い疲れて眠っちゃうなんて可愛いね、子供みたいで・・・(ニヤリ)」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・気持ち良かったね(ぼそ)」
「「・・・・・・・・・うん(*^^*) 」」
「なんて言うか・・・そのぉ・・・・・・」
「このぉ、手をムニっとしたら小さい声で「あっ」って言ったり・・・」
「馬乗りになってるところで、体がピクゥって跳ねたりするのがもうなんとも・・・」
「「「・・・・・・・・ハァ〜〜(うっとり)・・・・」」」<しばし反芻トリップ
「・・・・結局綾波って高笑いしなかったね・・・」
「しかたないよ・・・始めてだったんだし・・・」<ヾ(^^;)コレッ
「次にはもっと良くなるって・・・」
「そうだね、次こそは・・・・・・」
「制服とプラグスーツ姿以外の綾波っていいね。この次はまた別の格好してもらおうよ(*^^*)」
「ワイシャツ姿も萌えるけれどね(*^_^*;)」
「そう言えば綾波、なんで男物のシャツを着てたんだろう?」
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
「・・・・・まさか僕以外に・・・・・」
「これは一刻も早く可及的速やかに早急に急いで確認する必要があるね」
「もしこのシャツが僕以外の男の物だったら・・・」
「・・・・いや、それ以上に、考えたくもないけれど・・・・」
「・・・・やめてよ・・・・もし、父さんのシャツだったら立ち直れないよ・・・・」
「理由はどうあれ、僕をこんなに心配させたんだ・・・・・・・・」
「「「・・・・お仕置きだね・・・・・(ニヤリ)」」」
シンジ達は苦悶の表情を浮べて眠るレイにニヤリと笑いかけた。